ゴールデンウィーク真っただ中だが、4月30日に発表された平成24年度の新設住宅着工統計によると、総戸数は6%増の89.3万戸で3年連続増となり、順調に回復していることが分かった。
そのなかで、注目されるのが「貸家」だ。リーマン・ショック以降、持ち家や分譲住宅と違って唯一減少を続けていたが、4年ぶりに今回やっと増加に転じた。それも前年度比で10.7%の伸び。消費税や相続税の増税、景気回復(アベノミクス・安倍黒景気)による金利上昇の懸念などから先行してアパートへの投資が始まった様子。株価上昇も追い風になったと思われる。
もうひとつ特徴的なのが3大都市圏(それぞれ3%増)以外の「地方圏」で、着工が11%も増えたこと。これは、伸び幅が岩手57%、宮城48%、福島54%、茨城12%など震災復興需要によるところが大きいが、それだけではなく北海道や九州、中国地方でも増加をみせている。とくに貸家は19%の伸びと、3大都市圏の3%増と比べて大幅な増加。やっと地方にも回復の兆しが見られる。
一方、持ち家は消費増税に対する支援策や住宅税制の行く末を見極めようとするユーザー意識などから約4%増にとどまったが、住宅ローン減税の拡充も確定し、金利上昇の見方も根強いことから、戸数の大幅なアップが望めそう。
ゴールデンウィーク明けの住宅メーカーの集客状況が気になる(住井)