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日本板硝子 世界初、抗菌・抗ウイルスガラスを発売 – オンライン記事

<日本板硝子は、世界初となる抗菌・抗ウイルスガラス「ウイルスクリーン」を発売した。室内光を照射することにより、ガラス面に付着したウイルスを99%以上低減できる。より清浄な衛生環境が求められる、病院や高齢者施設、飲食店などでの利用を提案していく。>

 これまで、抗菌効果のあるガラスはあったが、抗ウイルス効果のあるガラスは世界初となる。
 同社が行った試験では、大腸菌や黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの菌、インフルエンザウイルスや、ライノロウイルス、ネコカリシウイルスなどのウイルスに対して、低減効果を確認できた。

NEDOのプロジェクトで特殊な光触媒技術が誕生
nihonitagarasu.jpg 光触媒とは、光りを当てることにより、化学反応を促す作用を示す物質。光触媒をさまざまな製品に用いることで、「汚れ分解」や「抗菌・殺菌」「空気浄化・消臭」「水の洗浄」などの効果を得られる。ただし、光のなかでも紫外線にしか反応しないため、これまでに普及が進んだのは外装材など、屋外で使用するものが中心だった。

 今回、同社が発売を開始したウイルスクリーンに用いた特殊な光触媒技術は、昨年の10月に、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した助成事業「循環型社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」で開発されたもの。東京大学と、同社を含む複数の企業が共同で開発を行った。

 開発のポイントは、従来の光触媒に、抗菌・抗ウイルス性能を有する「銅系化合物」という物質を加えたこと。銅系化合物に光触媒を組み合わせ、光を照射することで、抗菌・抗ウイルス効果が促進されるわけだ。これにより、従来の光触媒よりもさらに優れた抗菌効果、加えて、これまで実現が困難とされてきた抗ウイルス効果を発揮できるようになった。さらに、紫外線に加えて、蛍光灯やLEDなどの可視光にも光触媒が反応することを確認できた。

 同社では、NEDOのプロジェクトで誕生した、この特殊な光触媒技術をガラス製品に応用。「ウイルスクリーン」として製品化した。通常の板ガラスの表面に、光触媒膜、さらに銅系化合物を塗布した膜を重ねた構造を採用した。紫外線だけでなく、可視光にも反応するため、室内ガラスとしての商品化が可能になった。透明性は、通常の板ガラスとほとんど変わらない。

 同社では、抗菌・抗ウイルス効果を発揮するウイルスクリーンを、より清浄な環境が求められる、病院や、飲食店などでの利用を提案していく考え。

 10月23日から25日には、東京ビックサイトで開催される福祉設備機器が集う専門展示会「HOSPEX(ホスペックス)」に出展する。

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