<田島応用化工は屋根下葺材「マスタールーフィング」の販売を強化している。屋根下葺材の両面にバリア層を施したことで、アスファルトの防水性能を60年という長期間にわたり維持できる。住宅の長寿命化に取り組むハウスメーカーなどに訴求していく。>
バリア層が下葺材の劣化を防止
高い耐久性を実現した新技術のポイントは、下葺材の両面に金属膜のバリア層を施したこと。これにより、下葺材内部への酸素の侵入を抑えて、防水層であるアスファルトが劣化することを抑制する。
下葺材の防水性能は、アスファルトが劣化することで低下する。マスタールーフィングでは、こうした課題を克服するために下葺材の両面に、酸素の侵入を抑制するバリア層を施した。
ライフサイクルコストの削減やエコにも貢献
耐用年数60年の耐久性を実現したマスタールーフィングは、ライフサイクルコストの削減にも寄与する。
これまで一般的に高耐久といわれてきた下葺材の耐用年数は約20年~30年。マスタールーフィングの耐用年数は、その約2倍以上になる。そして、この耐用年数は、瓦の耐用年数とほぼ合致する。
一般的に、瓦を屋根材として採用した住宅では、瓦の耐用年数が残っているにもかかわらず、屋根下葺材の耐用年数が30年であるために、屋根全体を葺き替えなければならないという課題があった。
そこで瓦とマスタールーフィングを併用することで、屋根全体の耐用年数の向上を実現できるようにした。住宅の建築後の改修・維持・管理にかかるメンテナンスを大幅に軽減できることから、長期のライフサイクルコスト削減に貢献するというわけだ。同社では「耐久性の高い屋根とマスタールーフィングを併用した場合」と「耐久性の高い屋根と従来品の下葺材を併用した場合」のライフサイクルコストの比較を行った。期間は60年。その試算によると前者は約100万円、後者は160万円という結果になった。
さらにエコという観点から見ても優れている。耐久性の高い屋根材とマスタールーフィングを併用することで、メンテナンス工事を60年間行わずに済む。メンテナンスが必要な場合と比較すると、廃材が出ず、新しい建材を使用することもないので結果としてCO2の削減につながる。