海外通信では、海外で暮らす町田ひろ子アカデミーの卒業生が、現地で感じる日々のことをレポートします。
香港で初めて仕事を頂いた物件は、九龍側、ICCビルの横に建つガラス貼りのマンションです。
いわゆる憶ション!5年前の物件です。
施工をしたのはリビング、ダイニング、二つの部屋を一つにして子供部屋へ。
私がさせて頂いたのは、全ての照明器具、施工家具、窓周り、置き家具のコーディネーション、 壁のポイントデザイン等全てのデザイン作業です。
まずはこちらが工事前の写真です。何もありません。。。
香港は日本と違い、造り付けの収納が全くありません。
なので、入居する時に自分で家具を購入するか、ご自身で購入された場合はこのお施主さんの様に工事をして入居をされます。
ちなみにお施主様は日本人ご夫妻です。
<施工後>
お客様(奥様)のご要望はとても多く、打ち合わせは日本と香港と離れていたのでコミュニケーションは出来る限り密にしました。
ご要望の一つで、
「カップボードにノート型パソコンが使えるスペースが欲しい。そして、綺麗に仕舞いたい。」
とあり、引き出し部分がお客様の寸法に合っているかなど、サイズ調整に時間を使いました。
カップボードの横の鏡貼りの収納はシューズボックスです(香港には玄関がありません!)
ご主人は比較的背が低いほうだったので、椅子の脚を二センチカットしてあります。
もちろんダイニングテーブルとの差尺も計算しています。
香港の家具は西洋人仕様のサイズなので、心地よさを求めるとサイズの管理がとても重要です。
折角なので楽しく一家団欒をして頂きたいですものね!
図面はVectorworksで作成し、実際の工事はその図面を元に工事会社が独自に施工図面を作成し工事が始まります。
しかし、実際は施工図面が無くても工事をしている所も多い様です。。。
お客様には、平面プランと3Dを作成してイメージをつかんで頂きます。
こちらはマスターベッドルーム
収納には奥様の並々ならぬ思い入れがあり、地味ですが手間の掛かったプランでした。引き出しに何が入っているか見えるようにして欲しいとのご要望でしたので、引き出しの前板を限りなく低くし、ご要望に少しでも近づけようとしました。
また、収納の少ない香港ですので、ベッドのマットレスを持ち上げる(油圧式で簡単に上がります)と、下が全て収納になるベッドをご提案しました。
ベッドのマットレスも奥様は固め、ご主人は柔らかめ、そのベッドをくっつけて赤ちゃんを間に寝かしたいとの事でしたので、二つのマットレスの高さ調節も必至事項でした。
ちなみにエアコンの下も工事でつけた収納です。三枚引き違い扉の姿見鏡付です。
子供部屋の一面だけ、壁にマグネットペイントを塗装している様子です。
塗料に磁石の粉末を混ぜてあるもので日本製です。提案させて頂いたところ気に入ってくださいました。
こちらに居ると、住宅のみではなくショップのデザイン依頼も頂きます。アジアで挑戦してみるのも面白いと思います(^^)
インテリアデザイナー/セラピスト 中村 えり子