海外通信では、海外で暮らす町田ひろ子アカデミーの卒業生が、現地で感じる日々のことをレポートします。
2013年5月28日〜7月21日開催
『ブラジルのインテリアてどんなだろう!?』
こう思う人は多いのではないでしょうか。
実は、ブラジルのインテリアは大変華やかで豊かです。
・・・と言うのは、
ブラジルは富裕層が大変多く、インテリアはそのステイタスシンボルでもあるからです。
しかも、インテリアにこだわるライフスタイルでは通常、家事全般はお手伝いさんに任せるので、いわゆる“使い勝手”は二の次、如何に見た目が美しいか、楽しいか、遊び心や華やかさを重要視していることが多いようです。
例えば、日本の便器やシステムキッチンなどの機能性をお話しすると、皆すごく驚くのですが、それよりパーツの美しさや全体のデザインにもっとこだわりを求めます。
また、リビングやダイニング等のパブリックスペースにはゴミ箱を置きません。
このようなライフスタイルでは、パブリックスペースとプライベートスペースがはっきり分かれていることが多く『目に触れる場所にゴミ箱なんて!』と言うことなのです。
ライフスタイルによっては便利さや機能性が必ずしも利点にならないと言うこともあるのですね。
そう言えばブラジルはコンビニエンスストアが流行りません。
さて、ブラジルのインテリアデザインの一端を知るイベントがありました。
「CASA COR」と呼ばれる、サンパウロをはじめとする主要都市で毎年開催されるインテリアデザインのフェスタです。
受付け 入場料はブラジルレアルR$40 約2000円
このフェスタは3階建てのビルの中に約100人の建築家やインテリアデザイナーが、其々100〜200?ぐらいのスペースをデザインします。フラットなスペースだけではなく、2階があったり、ロフトがあったり、又、室内だけではなく、ガーデンや駐車場・・・、以前はガーデンから続く美しい馬小屋(納屋)なんて言うのもあり、ブラジルの豊かなライフスタイルが伺えたものです。
面白いのは開催される会場です!!
東京のビッグサイトのようないわゆるイベント会場ではなく“住まい“を創り易い(天井高が高すぎない)建物を利用します。
今回の会場は競馬場!!
競馬場と言っても、室内で優雅にお酒や食事をしながらのスタイルなので、その建物を利用しての展示となっています。
競馬場とは思えない優雅な建物 中庭を囲むようにいくつかの建物が連なっている
緑豊かな中庭 池のほとりに木彫りのアヒルが。
最上階から反対側の外に出てみると・・・競馬場を実感する風景が拡がる。
では、インテリアの展示をご紹介していきます。
せっかくですから、統一感など見る為に全室見てみましょう。
展示スペースには、デザイナーの名刺があるだけで、コンセプトやデザインを説明するものは一切ありません。
見る者が感じるままに、気に入ったら連絡をくださいと言うことでしょうか。
1. 開催冊子の表紙になったインテリア〜徹底した青とモチーフの繰り返し
エントランス
軽快な色と素材ですがシンメトリーなのでフォーマリティを感じさせます。
ここから両方向に2つのリビングに繋がっています。
リビングA 柄や模様のモチーフに注目 繰り返されて行きます。
リビングB ダイニングに繋がっている
ダイニング 照明器具の形状は繰り返しのモチーフですね。
マスターベッドルーム
マスターベッドルームからバス・パウダールームを繋ぐホールの一角
マスターベッドルームから続くバス・パウダールーム
ひと通り見ると、説明はなくても徹底した青のバリエ―ションが水・海・空を感じさせます。
特に寝室は海の揺らぎの中で眠ると言うようなムードが漂っていました。
日本では寒々しいと危惧しがちな寒色を寝室にふんだんに使っているところは、気候のちがいだけではなさそうです。
照明の演出で温かみや穏やかさを出していました。
柄や模様のモチーフが至るところで繰り返されており、ダイニングの照明器具などは圧巻です。