<国内初となる蓄熱機能を持つ木質フローリングと放熱パネルを組み合わせた、「次世代蓄熱フローリングシステム」を開発した。太陽熱や廃熱でつくった温水をパネルに循環させ、熱を蓄熱材に蓄えることで、室内を快適な温度に長時間保つことができる。>
蓄熱機能を持つ木質フローリングと専用の放熱パネルで構成
開発した「次世代蓄熱フローリングシステム」は、蓄熱機能を持つ木質フローリングと専用の放熱パネルで構成される。
蓄熱機能を持つ木質フローリングには、住宅の床材として一般的に使用されている厚さ12㎜の木質フローリングを使用。フローリングのなかに、厚さ約5㎜の潜熱蓄熱材を封入した。パラフィンという素材を使ったゲルシート状の蓄熱材で、液体から固体、固体から液体に相変化するときに、熱を放出したり吸収したりする働きがある。
蓄熱機能を持つ木質フローリングと高性能な放熱パネルを組み合わせることで、室内を快適な温度に長時間保つことが可能になる。冬場は、太陽熱や廃熱などでつくった40℃~60℃の温水を専用の放熱パネル内の架橋ポリエチレン管に循環させることで、熱が潜熱蓄熱材に蓄えられ、その熱が穏やかに放出される。一方、夏場は、昼間の室内の熱を潜熱蓄熱材が吸収し、温度を下げる効果が見込める。
木質フローリングの意匠性や施工方法を変えることなく導入できる
「次世代蓄熱フローリングシステム」は、住宅で一般的に使用されている厚さ12㎜の木質フローリングを使うことができる。幅広い商品に対応するため、好みのデザインのフローリングが選べる。
また、ソーラーシステムなどは集熱パネルで熱を集めて温めたお湯を貯めておく貯湯ユニットが必要になるが、「次世代蓄熱フローリングシステム」はフローリングに蓄熱機能を持たせたことで、外部に蓄熱槽などを設置する必要がない。
三菱樹脂インフラテックと永大産業は、太陽熱や廃熱、地中熱などの再生可能エネルギーを活用した設備と「次世代蓄熱フローリングシステム」を組み合わせたトータルの冷暖房システムを構築したい考え。