東京都中央区にある旭硝子(千代田区)の建築用ガラスの機能体感スペース「AGCstudio」に、サスペンション構造によるガラスらせん階段「STEPS IN THE AIR」が完成した。この構造でのガラスのらせん階段は世界初という。
ガラス階段自体は多くの施設で採用されているが、階段側面のガラス板で支える構造が中心。ガラスならではの透明感をより高めるためには、側面ガラス板を省略する必要があるが、踏み板の固定が難しかった。
今回のガラスらせん階段は、意匠設計を太田浩史氏、構造設計を佐藤淳氏が担当。綿密な構造計算と実物大モデルでの実験を行い、吊り下げたガラスの踏み板を独立して固定することに成功した。透光性と強度にすぐれたガラスの特徴を最大限に引き出すことで、「空中を散歩しているような不思議な体験が可能になる」という。
また、曲面状の階段の手すりには化学強化特殊ガラス「レオフレックス」を建材用途として初採用。薄くても割れにくいという性質を活かし、平らなガラス板を2枚合わせて曲げながら設置した。