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ポラス暮し科学研究所 あらゆる地盤に対応する複合地盤補強工法「SF-Raft工法」を開発 – オンライン記事

<ポラスグループの研究機関であるポラス暮し科学研究所は、戸建住宅用の複合地盤補強工法「SF‐Raft工法」を開発した。改良する場所の土と混ぜることなくセメント杭を形成していくため、腐植土地盤にも対応する。>

porasu1401.JPG ポラスグループの住宅品質保証という会社の地盤調査課では、地盤に起因する不具合の発生を防止するために、グループ内で供給する注文・分譲・アパートの地盤調査を行っている。一般的な地盤調査の手法であるスウェーデン式サウンディング試験を用いた調査だけでなく、現場の土を持ち帰り室内土質試験なども実施する。

 しかし、調査・診断の結果、柱状改良による地盤改良工事が適切だと分かっても、腐植土地盤の場合、鋼管杭による改良工事を行わざるを得ないこともあり得る。一般的には、柱状改良よりも鋼管杭による改良工事の方がコストは高い。こうした問題を解決するために開発したのが、戸建住宅用の複合地盤補強工法「SF-Raft(エス・エフ・ラフト)」だ。

独自の配合で土と混ぜることなく固まりやすいセメントミルクを開発
 一般的な柱状改良では、まず専用のロッドで設計深度まで地盤に穴を開け、セメントミルクと穴を開けた周辺の土を混合しながら土中にセメントの柱を作っていく。このセメントの柱によって建物の荷重を支える。

 柱をつくる際に土を混ぜるのは、セメントをより固まりやすくするため。しかし、腐植土地盤でセメントミルクと土を混ぜると、逆に固まり難くなってしまうという問題が発生する。

 また、六価クロムの問題もある。セメントと土を混ぜ合わせると、土の性質によっては六価クロムが溶出してしまうケースがある。その結果、深刻な土壌汚染を招く恐れもあるのだ。

 ポラス暮し科学研究所が開発したエス・エフ・ラフト工法は、いくつかの物質を配合したセメントミルクを使うことで、土と混ぜることなく地盤中に柱を形成する。様々な物質をセメントミルクに加えて、より固化しやすいものを探し出し、最適な配合比率などを割り出したという。

 ただし、土中で凝固しやすくするために、セメントミルクの粘度を高くすると、セメントミルクが施工中に使うホースなどを通り難くなり施工性が低下する。そこで、分散剤なども用いながら、粘度を高くすることなく、土中で固まりやすいセメントミルクを開発した。

 施工方法は、所定深度まで専用ロッドを回転圧入しながら掘削し、セメントミルクをロッドの先端から吐出しながら抜いていくというもの。

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