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恥かしい話。 – コラム Adagio

 

月9ドラマや日曜ドラマなどで使用されている家具や椅子などが注目される事がよくありますが、確かに優雅な男性の1人暮らしに使われているソファセットや、人気俳優が演じている役の住居に置かれたライトなどが不思議に魅力的に見える・・と言うのはインテリア業界にとっても嬉しい事ですね。

また、どう見ても同じ家を使いまわしているのに、内装をかえるだけでこんなに違うのか?!と新鮮な気分になることもドラマを見る私にとっては楽しみに含まれています。
元々私は流行ドラマを見る事は殆どなく、土曜ワイド劇場や火曜サスペンスなどのミステリーか時代劇しか見ていませんでしたが、やり手の女性(大抵初盤から中盤で殺害される役)が住む上流階級のリビングなどは特に使いまわしが多く、たまたま見たサスペンスドラマに出てきた弁護士夫婦の住む家のリビングが、別のドラマでは殺人現場となっていたり、ホームパーティの場になっていたり、と室内に焦点を合わせるとストーリーだけではなく更に楽しめるものです。

間取りはほぼ変わらないので、カーテンや家具・小物でがらりと印象がかわるのはインテリアの可能性を教えてくれているようで、とても勉強にもなります。

ところで、今までに一度だけですが、滅多に見ない流行テレビドラマのセリフをたまたま聞いて、基本中の基本である建築用語を学習した事があります。
その言葉とは「筋かい」。
当時、インテリアの勉強をしていた私は、建築・構造の部分に出てきた「筋かい」という単語を、ルビが振っていないこともありまして、ごく当たり前に「キンカイ」と脳内変換しておりました。
しかもその状態で教科書を読み、暗記する事に必死で、誰かに訂正して貰える機会もなく何の疑問も持たないまま約1年近く「キンカイ」は馴染んだ単語となっていました。

そんなある日、たまたまリビングでまず私が見ない類のドラマが流れていまして、内容は分かりませんが、主人公らしき2人の人気俳優さんが建築家であるらしく、ほほう建築家の話しもあるのだな・・・と家事をしつつ、何ともなしに流し聞きしていたのですね。

そうして、その有名な建築家らしい2人が壊れかけた小屋のようなものを直す?シーンで、突然「すじかいが・・・」という声が耳に入ってきまして。
慌てて画面を見ると、今まで私が「キンカイ」と呼んでいた壁枠の強度を高める為の斜めに渡す板が!!
「筋かい」は「キンカイ」ではなかったのだ。
思わぬ所で教えて貰った私は、今まで誰にも「キンカイ」などと発言していなかったことに心底安堵するとともに、やはりドラマも侮れない!と感心したのでした。

漢字の読み書きに決めつけは危険 と ドラマは結構勉強になる(事もある)
がこの1件で得た教訓でございます(笑)

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