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新しい住宅省エネ基準に「仕様」基準 簡易計算ルートも創設

 国土交通・経済産業・環境の3省は、住宅の省エネルギー基準改正の円滑な運用に向け、公布済みの一次エネルギー消費量の計算方法のほかに、簡易的な計算方法によるルートと標準仕様によるルートの2つの簡素化ルートを設けることを決めた。申請などにかかる負担を軽減するため。7月12日に、有識者などによる会合を開き、事務局案として提示した。会合では、簡素化に対する反対意見も出されたが、最終的には事務局案のまま合意。今後、一般からの意見募集を経て、10月1日の改正基準施行と同じタイミングで施行される予定。
 簡易な計算によるルートとして、外皮性能の簡易計算法を創設する。具体的には窓、壁など部位別に仕様表を定め、それぞれ面積を求めて簡単な四則演算で計算できるようにする。
 標準仕様による基準は、外皮性能と設備ともに、安全側で最低基準を設定するというもの。外皮性能については現行の設計・施工指針の仕様をベースに作成する。開口部の比率に応じて、3段階(強化仕様、現行仕様、緩和仕様)の仕様を設定する。開口部比率が大きい場合は開口部仕様を強化し、開口部比率が小さい場合は開口部仕様を緩和できるようにする。設備については、一次エネルギー消費量の基準値を設定した際の標準設備と同等以上の設備を基準とする。別途、単位床面積あたりの外皮などの面積に一定の制限も設ける。
 ともに10月1日から施行予定。簡易計算は低炭素住宅の認定でも使えるようにする。また、標準仕様によるルートは、暫定的な措置とする。