<ジャパンホームシールドは、新築住宅向けに20年間の地盤保証を導入した「地盤サポートシステム」の提供を始めた。地質まで詳細に解析できる「スクリュードライバーサウンディング試験」の導入により実現。新築住宅の瑕疵保証期間を20年とするビルダーなどが増えていることに対応した。>
同社が新たな地盤サポートシステムの提供を開始した背景には建物の瑕疵保証期間の長期化を進めるビルダーなどの動きがある。
2000年4月に新築住宅の瑕疵保証を10年間にわたり行うことを義務付ける法律「住宅品質確保促進法」が施行されたが、近年、新築住宅の瑕疵保証期間を20年とするビルダーなどが増えてきているという。
地盤保証の長期化を図ることで、こうした業界の動きに対応した。
地質まで詳細に判定できるSDS試験が寄与
新しい地盤サポートシステムの実現には、同社が独自開発したスクリュードライバーサウンディング(SDS)試験という地盤調査法の導入が寄与している。一般的な地盤調査で用いられるスウェーデン式サウンディング(SWS)試験では、ロッドの先端にかかる荷重(もしくは回転数)により地盤の強度を判定する。土質についてはロッドに加わる感触や音から、調査員が感覚を頼りに「推定」している。
これに対してSDS試験では、ロッドの先端にかかる荷重に加え、ロッドを回す力を表す回転トルク値や、ロッド1回転あたりの沈下量、さらには同社が独自に蓄積してきた各種計測データなどを追加して地盤の状態を分析。これにより「ローム層」「砂質土」「粘性土」「腐食土」「盛土」など、ボーリング調査並みの詳細な土質判定が行える。
地質まで詳細に判定ができるSDS試験の導入により、その地盤が将来、不同沈下を起こす可能性の有無を、より高い確度で判定できるようになった。これにより地盤保証の長期化を実現。加えて、過度な地盤工事を未然に防ぐメリットも生まれる。
また、SWS試験機に簡単な機器を加えるだけでSDS試験を行えるため、SWS試験並みの低料金も実現した。さらに水位測定を加えるオプションも用意。液状化の簡易判定も可能だ。
同社では、SDS試験を用いた地盤解析の提供を2010年10月から開始。SWS試験並の料金で、精度の高い地盤解析が行えることが支持を受け、採用実績は好調に推移しており、2013年3月に累計採用実績3万件を突破した。現在、同社が実施する新築住宅の地盤解析の約4割でSDS試験が導入されている。