<旭化成リフォームは熟年夫婦と単身の子世帯向けのLDKリフォーム商品を開発した。商品の開発には、旭化成ホームズの「くらしノベーション研究所」の調査を活用し、母親の不満を解消する工夫を盛り込んだ。>
近年、晩婚化・非婚化・離婚率の上昇などから、60歳前後の熟年夫婦と単身の子が一緒に暮らす世帯(以下、おとな3人世帯)が増えてきている。
旭化成リフォームが旭化成ホームズのへーベルハウスに住むOB顧客を対象にして行った調査によると、リフォーム工事の主な対象となる築20年以上の世帯主は、60歳代前後が多いことが分かった。さらに、このうち約4分の1がおとな3人世帯であったという。
このような実態を受け、旭化成リフォームは、既存へーベルハウスに住むおとな3人世帯をターゲットにしたLDKリフォーム商品「おとな3人リビング」を開発した。
おとな3人世帯のなかで母親の不満度が比較的高い
商品開発にあたり、旭化成ホームズの「くらしノベーション」研究所や調査会社による調査、訪問ヒアリングを行い、おとな3人世帯の居住志向を調べた。
この結果、おとな3人世帯暮らしでは、各自が多くの時間を過ごす場所は、個室ではなくリビングであることが分かった。これにより、今回、おとな3人リビングは家全体を対象としたリフォームではなく、LDKに限ったものになった。
奥行き30㎝の収納でLDKをスッキリ
旭化成リフォームはおとな3人リビングに「パーソナルファニチャー」という考え方を導入した。これは、LDKは家族が集まる場所であるため雑然としやすいので、各自のモノを各自で管理することにより、LDKが雑然としないようにするという考え方だ。
趣味、寝室、介護に対応する多用途空間も提案
おとな3人リビングでは、通常のLDK空間のほかに、プラスαの居住空間「マルチコーナー」を提案する。これはリビングの一画に設けるスペースで、様々な用途に対応可能なもの。
例えば、各自の趣味の空間として利用できる。リビングとマルチスペースの間に、可動式の間仕切り「スライドスクリーン」を設置すれば、趣味の道具を出しっぱなしでも間仕切りを閉めることで、急な来客に対応できる。また、おとな3人世帯の他に、別の場所で暮らしている子や孫などがいる場合は、マルチコーナーを宿泊用の部屋として利用できる。